窖改

好きを語り倒す

陳情令感想 49話 不義の果て

陳情令第49話感想です。
原作との比較と、がっつりネタバレしますのでご注意。



光瑶の命乞い。
沢蕪君の慈悲深さと優しさと誠実さ、全部に訴える手管だと羨でなくても分かる。最初から全ての人を敵にするのではなく、こういうときに使えるある程度位の高い人をひとり囲っとく、の白羽の矢が立ってしまったのが㬢臣だったんでしょう。ドラマだと座学時代に会ってるので、その頃からもう㬢臣を駒にする計画が始まってたんだろうと思う。兄上がつらい…。

脅迫状。
最後の最後に駄目押しのキーワード。
初見のときは、これも光瑶の自作自演かと思ってた。㬢臣を懐柔するための方便だと。違った。
ホワイさーん。本当に逃す気ないな。己の保身のためなら虐殺でも殲滅でも何でもする光瑶の本性をよく分かっていらっしゃる。

㬢臣と光瑶の一問一答。
ここまで来てもまだ光瑶に耳を貸そうとする㬢臣の心の深さよ。それでさえも利用することしか考えない光瑶には、㬢臣兄様の愛情はもったいなさすぎる。
秦愫とは、事実を知る前に婚前交渉をしてました。婚約が成ってから婚姻するまでの間に破談にされないよう、既成事実を作っちゃえという。権謀術数と策を弄すことでしかその場に立てず、慎重に慎重を重ねる性質が仇になったと言う話。ラスボスだと思ってた光瑶の後ろにいた第二の黒幕、懐桑の攻撃がクリーンヒットしてる。
お叱りでも咄嗟には「阿瑶」呼びになってしまう㬢臣兄様。本当に可愛がってたんだと言うのが滲み出てる。お前はこれほどまでに無償の情を向けてくれてた人を駒にしてたんだぞと、光瑶の胸ぐら掴んで揺さぶりたい。おそらく生まれて初めて、感情に任せて人に手を上げたのであろう兄上。そのビンタに非はないです、心を痛めないでー。
窮奇道の真実。
窮奇道は温氏滅亡後、金氏の管轄になってたから位置的にも近いんだろうとは思ってたけど、まさか琴の音が届くほど近いとは思ってなかった。目と鼻の先だったのね。
ドラマは本当に、完全に利用されただけで微塵も羨に非がないな。これは純粋に怒れるわ。先に金凌が爆発しちゃったけど。上向いてる㬢臣も、光瑶に対してどれだけ絶望してるか。一生懸命腹に落とそうとしてるんだろうなぁ。
とてもとても理不尽な理論を吐かれてる金凌がかわいそう。言い重ねられる光瑶の言葉が全部「羨ましい」に聞こえる。金凌を可愛いと思ったことが1ミリくらいはあったかもしれないけども、常に嫉妬が凌駕してたんだろうと推測。㬢臣と同じで、将来自分のために動く駒に育てようとしてたのかもしれないとまで考えてしまう。
確かに光善は最低な男だと思います。だからって光瑶のやったことが正当化されるとは毛ほども思わぬ。
その前にここどこ。金鱗台?
光善は恐妻家で本妻の金夫人に頭が上がらない人です。よって金鱗台の外で憂さ晴らしのように庶子を作りまくっていた訳で、彼女の目がある金鱗台であれはあり得ないんだが。

光瑶に捕まる金凌。
甥っ子、思ったよりデカイな!
羨が言った「琴弦は奪ったはずだ」は原作の名残です。恨生を奪ったときに、こっそり弦も回収してたの。誰も気づいてなかったけど澄だけは分かってたんだよね、あいつならそれも奪ってるだろうって。伊達に一緒に育ってない(うふ)
蘇渉に人質としての価値あるの?と思ったら、なかったね。「私に構わず」「感謝する」って、そんなあっさり。自分のために犠牲になるのは当たり前と言うことか。光瑶にとって自分側に立つ人間とは、絆で繋がるものでなくただただ利用価値の有無なんだなと再認識した。

思追乱入。
いやちょっと早いな!?(驚)
て言うか、これ本来は思追じゃなく温寧が吹っ飛ばされてきます。
思追の登場は全てに決着が付いてから。ドラマでもこの場での見せ場はないので、ファンサービスかしらと思った。思追可愛いから、特に出番がなくても画面にチラホラ映ってるだけで癒し。
温寧登場。
原作はここで凶屍になった明玦本体が登場しますが、ドラマは明玦の遺体が棺にいるからどうすんだろうと思ってたら、そう来たか。
つまり、温寧と明玦と思追の役がドラマと原作で入れ替わってる。明玦本体の代わりに温寧に刀霊を取り憑かせたから、明玦本体に吹っ飛ばされる温寧役が本来出番がなかった思追に回ってきちゃったんだな。…思追(肩ぽん)

温寧(覇下)の攻撃に端を発して、
ドラマ→動揺した光瑶が弦を離した隙に羨が金凌を助け、その後で忘機が光瑶の腕を肩から切り落とす。
原作→光瑶が動揺して金凌の首がヤバかったので、弦を持った手を忘機が手首から切り落とし、拘束が解けた瞬間に羨が金凌を助ける。

ドラマだと「大丈夫か」だけで終わってましたけども、原作は羨が大変でした。
ここで金凌にまで死なれでもしたら師姉に顔向け出来ないって言うんで、金凌をぎゅーぎゅー抱きしめながら、敵の傍に立つな!と怒涛のように叱って、叔父さんとこ行けと江澄の方に押してやる。愛。愛しか感じない。
それに加えて、ぎこちないながら忘機に礼を言う江澄も見られます。忘機が咄嗟に光瑶の手首を切り落としてくれなかったら、切り落ちてたのは金凌の首だったからね。ここら辺の澄の変化も含めて、一連のシーンを絵面で見たかった。
原作金凌はがっつり抱きしめられたの初めてらしいよ。江澄は愛情表現が壊滅的に下手な人だから仕方ないにしても、光瑶がフリでさえも抱きしめてやったことないのかと思ったら、やっぱり心から可愛がってはいなかったんだなと思った。

沢蕪君に助けを乞う蘇渉。
どの口が言うんだ。全部利用するための布石に過ぎなかっただけのくせに、自分勝手が過ぎる上に押し付けな言い方が癪に触る。

藍氏双璧の安息合奏。
貴重なデュエット…!
ドラマでは腕を切られる前に弦を離してた光瑶。こっそり金凌を庇ってました、ね。原作光瑶よりは、多少なりとも金凌に愛情があったと言うことか。

光瑶から金凌に的替えした温寧(覇下)。
凶屍はターゲットを判別する際、見た目ではなく血や気などで嗅ぎ分けます。覇下が恨んでいるのは光瑶ですが、甥っ子の金凌の血の匂いにも刺激されてそっちに行っちゃったのです。
この先が、温寧が覇下に取り憑かれてるドラマと、凶屍明玦と温寧が別々にいる原作で、だいぶ展開が違います。

ドラマの場合。
口笛や術では反応しなかった温寧が、羨の本気呼びで覇下の支配から抜けるのは良いと思いました。正気を取り戻した温寧見てホッとした顔する羨に、ふたりの絆が伺える。
尚も金凌に迫ろうとする覇下を必死で止める温寧の手から血が滴ってるの見て、ドラマ温寧は生きてるんだったなと再認識。ドラマではこの必死さを目の当たりにした澄と金凌が、多少なりとも温寧への認識を変えた感じになってましたね。

原作の場合。
金凌を庇って、温寧が凶屍明玦に胸を腕で貫かれます。凶屍の強さは怨念の強さに比例するので、元々そんなに負の感情が強くなかった温寧では明玦に敵わなかったの。
とは言え原作温寧は死人なので、手足が折れようが自分で骨継ぎしたくらいにして平気で動くし、体に穴が開こうが衝撃が抜けるまでちょっと動けない程度で、血も出なければ何ともありません。温寧はそういうものだと知ってるし父親の仇でもあるので金凌にとっては憎むべき相手なのに、身を挺して守ってくれたのと、胸に穴を開けられた姿が話しに聞いた父親の最期と被って、憎むに憎めなくなっちゃうのね。

原作温寧は羨と胸の穴について、
「お前これ、なにで塞ぐつもりだ?」
「深刻ですか?」
「見た目が不格好なだけ」
「格好は気にしませんから」
という会話が成り立つくらい頑丈です。さすが死人。こっちに慣れてると、体が生きてるドラマ温寧はどうしてもシリアスになりがちだなぁと思う。

羨を心配する㬢臣兄様と、兄上を止める忘機。
この無言のやり取りが好きなのですよー(によ)
お前なら出来ると羨を信じてる忘機のお顔と、信頼が嬉しいのであろう羨の笑顔がね。前者は頼もしく、後者は可愛らしい。むはっ。
この辺りを原作から補足すると、羨は今の体が莫玄羽であることを利用して、明玦(覇下)の興味を金凌から自分に移そうとしています。前記したように凶屍はターゲットを血で判別するため、金凌よりも光瑶と等親が近い玄羽(金凌は甥っ子、玄羽は異母兄弟)の血に、より強く反応すると踏んだの。

お久しぶりの陳情。
お帰りー!会いたかった!
あれ、江澄、外から来た?
陳情、どっから持ってきたんだろう。このちょっとの間に蓮花塢まで取りに行ってたわけないだろうし、羨探しに出たときに一緒に陳情も持ってきてて、門弟に預けて観音廟の外で待機させてたりとかしたのかな。
ドラマ陳情は師姉が触ろうとしたら拒絶してたので、随便と同じように澄を羨だと思って大人しく触らせてたのかしら、とか、金氏が随便を、江氏が陳情を保管してたのは陳情が澄にしか触らせなかったからかしら、とか、チラッと思ったけど、そうするともっと早く澄が金丹のことを勘繰ったかもしれないから、無理があるし齟齬が生じてしまう。うぬ、残念。
そういえば原作陳情は乱葬崗時代に、阿苑にヨダレでベタベタにされて羨が吹けなくていたらしい。ドラマ陳情と比べるとだいーぶ寛容(笑)

ジャンちょーん!
陳情吹いてる羨を見てるお顔が!
本当にわだかまりが取れたんだと感じられる良いお顔。嬉しい。良かった。

ちょーおい、羨が吐血してんのに忘機がスルーとかないから!
本来とは違う意味で懐桑お前、余計なことしよって!(キイッ)

蘇渉の最期。
きっと真面目なんだ、本気のはずなんだけども。
なぜかコントに見える。わざとらしいと言うか白々しいと言うか、あれここ笑うとこじゃないよね…?

明玦の遺体とともに覇下と複製陰虎符を棺に。
コマ落とし感が拭えませぬが、これは陳情で覇下の怨念を鎮めたということでいいのかしら。
棺に封印。
「下りておいで」は無しかーい!!
無いよね、だよね、分かってた。明玦大人しいんだもの。羨、棺に上がらなくても封印できたしね。
くそう、忘機から支えられてぴょんと下りる羨が見たかった…!
でもドラマは、よろける羨の背中をすかさず支える忘機が見られたのでいい。満足。幸せ。

ひとり大騒ぎな懐桑。
初めて見たときはね、空気読まずに痛い痛い騒ぐ懐桑がムードメーカーに感じたんだ。㬢臣兄様も気が抜けたような笑顔を見せてたし、良い特性だなぁとか思ってたんだ。大間違い。

どうした温寧?
何か思い出しかけてる思追の隣で、温寧が眠いのか具合悪いのか、フラフラしてる。覇下に乗っ取られたり抵抗したりで、体力とか精神力とかごっそり持ってかれたっぽいかな、これは。ドラマ温寧は生きてるから痛みも疲労もあるしね。お疲れさま、頑張った!


懐桑の最後の一手、で、次回持ち越し。
㬢臣兄様…!