窖改

好きを語り倒す

陳情令スピンオフ「生魂」感想

温寧+思追のスピンオフ感想です。

舞台はドラマ完結後の、扶風城(ふふうじょう)という岐山温氏の管轄だったと思われる町。
以前は不夜天のようだと言われてたくらい栄えていましたが、夕暮れの鐘が鳴ったら灯りを消さないと邪崇に血肉と生魂を喰われる、という祟りにあっていてだいぶ寂れてます。
そこに夜狩に来た温寧が、同じく夜狩に来た思追と鉢合わせて、一緒に事件解決に奔走するというお話。
では、がっつりネタバレしますのでご注意。




冒頭で邪崇に喰われた兄妹の家に行く温寧。
登場からなんか雰囲気が違いますよ!
えええ、天使ちゃんじゃなくなってる!
本編のぽやぽやした癒しオーラが全くありません。姿も現在編で登場した初期の、ぶっとい鎖ジャラジャラに戻ってるし。
あれか、羨や温情という庇護なく荒波に揉まれて大人になったのか。独り立ちして苦労したっぽい。
でも初見の町人たちにゴンザ(公子)て声かけられてんだよね。パッと見、明らかに不審なボロい外套姿なのに、気品が滲み出てるのか。

夜に灯りを灯して邪崇を呼びます。
鎖を分銅のように自在に操って戦うの、かっこいいな!
バトル好きにはウハウハです。いいねいいね。
同じ邪崇を追っていたらしい思追とバッタリ。
ごめんなさい、思追が景儀に見えた。あの2人似てるっけ、あれ?(困惑)

「温おじさん」
「先輩と呼べ」
「何故ですか」
「魏の若君に年寄りくさいと言われたから」

ええー(笑)
これコメディパートだよね?温寧がニコリともせず始終真面目顔だから本気か冗談か分かんねぇ!
多少困惑したっぽいけどとりあえず素直に言うこと聞いてくれる思追は、ドラマと人格一緒なようです。
ていうか、本編でこんな話し出てないから、最終話で別れてから最低でも一度は羨に会ってると言うことよね!あ、なんか嬉しい。ちゃんと縁が続いてる。
温寧が「魏ゴンザ」言う度に顔がニヨるー!
あーもう(ほっぺモミモミ)。真面目な顔してかっこよくなってても、やっぱり温寧は温寧なんだな。行動基準が羨。
若干怖がりな思追はお変わりなく。ツッコミがいないパーティ(笑)

亡骸に問霊してみる。
スピンオフ独特な仕様になっておりますね。
琴の音律を媒介に、亡骸の内側に自分の霊識を送り込む感じでしょうか。対象が感じている情景の中に自分がいる、というような見た目。

キーワードに陰鉄が出てきましたよ。
確かにドラマ本編で陰鉄は破壊されたって言われてたけど、誰がどうやってとか詳細は一切なかったんだ。実は現存してましたとか有り得なくはない、けど。
やめてーあんなに苦労したのに…!
それにしても温寧、お顔が大層キレイ。硬い雰囲気とキリッと整ったお顔が含光君のようだわ。

蕭(シャオ)氏の悲劇と怪異が、本編の櫟陽常氏と被る。
仙門でも夜狩じゃなく、灯籠作りを専門にするとかあるんだね。
…それ仙門?(はて)

蕭氏の屋敷。
温寧、は、これは幻覚を見せられてる?
白温寧と黒温寧的な。黒い方、薛洋のようだ(嫌)

いらっしゃいませでいきなり核心射抜いてくる精神攻撃が過激だな。

蕭氏の生き残りがおりました。
過去の回想、で、えーと、人物整理させて。
生き残ったのが蕭憶(シャオイー)。次男で庶子
長女が蕭情(シャオチン)。
外から来た灯籠師が周子殊(チョウズーシュー)。
で、子殊が陰鉄使って悪事を企んでたと。
…え、その陰鉄はどこから?
今ってドラマ最終話からどれくらい経ってるの?
発端の事件そのものは今から1年前にあったらしいから、もしかしたら羨たちが金鱗台とか雲萍城とかでワーワーやってるときにこっそり裏で起きてたのかしら。それとも最終話から1年以上経ってて、本編終結した後に起きたのかな。
謎なのでとりあえずそれは置いといて、事件の話しですよ。
子殊が何をしたかったのか分からない。陰鉄持ってて、蕭氏に取り入って長女と婚姻許されるとこまで行って、正体がバレたから蕭氏を殲滅して、その理由が「どうせ蕭氏の目的は陰鉄だろう」。
…???
意味が分からん。そもそもあなた何しに蕭氏に来たの(悩)。
で、「陰鉄の書付」とやらを取り返すために、蕭憶だけ殺さずに残してたと。

書付は羨のでした。
ふぁ!?
あ、いや、原作でも羨は手稿を色々残してるから、羨の死後金氏が戦利品として保管してるのはいいんだ。それを子殊がどうやって手に入れたかとかもこの際置いといて、羨が残した書付にしては凶悪過ぎないかい?
陰鉄使って傀儡作る邪術の書付って、羨よりむしろ若寒な気がするんだが。
温寧が思追と話してるときの蕭憶、雰囲気がおかしい。

子殊の襲撃。
ドラマよりバトルのCGがグレードアップしてる。鎖がかっこいい。
で。え、子殊よわっ。顔背けながら適当に振り回した剣で首切られて死ぬとか、呆気なさすぎなんだが。
ていうか、子殊、白瞳。あれ、あなた傀儡?んー?
急になんか、蕭憶の言ってることが怪しくなってきましたよ。
お姉さんで名前が「情」だから、温寧にとっては少なからず蕭情に思うところがありそうな気がするんだけど、あのお顔はそういう心の動きはなさそうだな。

子殊が傀儡だったりとか腑に落ちないことが残ってるのに事件解決なの?…て、思ってたら。
解決してなかった。だよね!
蕭憶は身分詐称で、回想は蕭憶と子殊の立場が一部入れ替わってました。
あーなるほど、だったら分かるわ。回想の子殊の行動が意味不明だったの、そのせいか。

扶風城の怪死事件は蕭情を生き返らせようとして趙憶(チャオイー←蕭憶)が起こしていたものでした。
その際、子殊を傀儡にして手駒にしてたのね。子殊は罪のない普通の灯籠師だったのに不憫。

蕭氏の屋敷に戻ってきました。
現場検証してる思追が可愛い!体育坐り可愛い!
殺人現場なのに、何だろうこの天然な可愛らしさ。ニヨる。

地下に蕭情のミイラっぽいの。
その顔の皮膚剥がしたみたいなのは何、と思ったらまた精神攻撃っぽい幻覚(?)の中に引っ張り込まれました。

羨ー!!?

ビックリしたよ!
後ろ姿と顔が映らないアングルでしたから肖戦ではないだろうけども、姿を拝めるとは思ってなかったから叫びそうになった。登場の仕方が英雄ですよ。さすが羨。
泣かす気ですか、もう。羨が温寧の心の柱になってるのが嬉しい。羨の言葉が温寧を支えて、人として生きる力になってたのですね。心の底からこの絆が嬉しい。あー(感涙)

温寧+思追vs.趙憶。
むしろ鎖+琴vs.陰鉄。
その陰鉄はどこから?は、いいです置いときます。
バトルがかっこいい!
尾が繋がった2匹の蛇を使役してるような温寧の戦い方が超かっこいいです。思追の琴も音律だけでなく打撃武器にも盾にもなってて、ダイナミックでいい感じ。頑丈だな、琴。
2人とも本編からだいぶ腕上げましたな…って、なんか変な感慨が。

地下へ。
陰鉄に吸わせた大量の霊識を蕭情の亡骸に移して生き返らせようとしてたのね。
ただエネルギーが必要だっただけなら、何でわざわざ血肉と生魂を奪って殺すのを「夜に灯りを灯した人」に限定してたんだろう。人の手でなく怪異に見せかけるためか?
邪術で魏無羨が温寧を生き返らせたんだから自分も、という発想。
あー、うん、やっぱりここで引っかかる。ドラマ温寧は死んでないから。肉体が生きてて霊識も戻ってるけど普通の人間じゃなく傀儡、という不思議な存在。
原作羨であっても完全に死んでる温寧を生き返らせてはいないからね。死体を傀儡にして、そこに奇跡的に温寧の自我を取り戻せただけ。
原作でもドラマでも、側から見たら生き返らせたように見えるのは同じでしょうから、羨の預かり知らぬところで趙憶みたいな誤解と曲解した人がこの先も出てくるんだろうと思います。そんなの自己満足の極みでしかないのに。
そしてただただ自分勝手で大量虐殺した趙憶を救済するような展開が納得いかん、と思ってたら、思追がガッツリ代弁して釘刺してくれました。情に流されず冷静かつ的確に断罪できる思追は、さすが含光君に育てられた子。
温寧もまぁエゲツな…ゲフンっ!
趙憶と同じこと出来んのかーい。
自業自得だから同情はしない。温寧には心の中にがっつり守ってくれる羨がいるけど、さて、趙憶にはどうかな。

陰鉄持って姑蘇に帰ります。
呪われてるとか不穏なこと言いながら、その辺の石ころ拾ったみたいに普通に手にポロッと陰鉄持ってる思追が。会話のわりに緊張感ないな!(笑)
どっちが持ってもいいから、それせめて封悪乾坤袋に入れない?
こんな調子でちょいちょい2人で夜狩やってるんでしょうね。雲深不知処にもこうやって顔出ししてるなら、羨と忘機にもちょこちょこ会えてるかもしれない。と思ったら、ちょっと幸せになった。

この度の舞台は温氏管轄だったと思しき町でした。状況を考えると大手の仙門が出動してもおかしくない事件だったと思うんだけど、1年もの間、住民がほとんどいなくなるくらいまで被害が出てても放置されてたとこ見ると、「温氏」を理由になんとなく省かれてたのかもしれない。
温寧は特にですが思追も温氏だから、そういう見捨てられた怪異の夜狩を優先してやってるのかもしれないと思いました。必然的に獲物が被って、結果組むことが多いとか。気がついたらしょっちゅう一緒にいるよねーみたいな。世知辛い理由だけど、温寧と思追が仲良しでいてくれるのは嬉しい。
これからも2人で夜狩頑張っておくれー。