窖改

好きを語り倒す

陳情令感想 42話 清心音の謎

陳情令第42話感想です。
原作との比較と、がっつりネタバレしますのでご注意。



芳菲殿、隠し部屋へご案内。
芳塵軒から芳菲殿までどのくらい距離があるのか分からないですが、光瑶と蘇渉が時間差で忘羨の後に外から来たとこ見ると、羨が芳塵軒まで往復してる間に、光瑶が夫人への術かけと明玦の首を蘇渉に渡す→蘇渉が部下へ渡す→隠す、をやっていたのではないかと。
金夫人の自害。
全て自作自演なのにここまで被害者面になりきれる光瑶は憑依型の役者だなと思った。嫌な意味で使って申し訳ない。知ってて見てる読破組にはただただ白々しく腹立たしいだけの演技だけど、光瑶を信じたい㬢臣からしたら揺れるよな。
「私に話していないことがあるのでは?」
「(前略)莫家荘で…」
そっから!?
や、そうか、そっからか。31話分の過去編挟んでるから1話の話がすごい前のことみたいに感じるけど、まだほんの数日しか経ってないんだった。時間感覚狂う。
㬢臣の説明で明玦殺しの犯人に光瑶が疑われていると判明する訳ですが。
改めてこのシーン見ると、上記の光瑶の台詞から既に作戦だったんだと分かる。直前に突発で不可解な金夫人の自害があったのに、気がついたらもう誰も夫人を気にしてない。より衝撃的な話題にすり替えて一旦存在感を薄くしておいて、玄羽の名前をわざと出してみんなに意識させてから夫人の自害を再浮上させる。私は蚊帳の外です主張ついでに夷陵老祖復活もバラしちゃえ作戦、成功。腹立つ。
光瑶には腹立つけども、彼が羨に剣を向けようとした瞬間の江澄にはニヨった。あれだけ憎々しげに悪態ついてたくせに、いざ羨がヤバいとなったら体が動くんじゃんかほらー。本心から憎んでなんかいないくせに、天邪鬼め。だから忘機に遅れを取るんだよ。

改めて夷陵老祖確定。
懐桑、これも大概狸だけども今は黙っとく。
本来はここまで一切なんの匂いも気配もさせず、この懐桑の疑問で初めて随便の封剣の事実が明るみに出ます。逃れようのない確実な証拠。
ドラマ光瑶が「(羨の死後)金氏で保管してから程なく封剣した」って言ってるけども、これは上記した原作の名残で、ドラマでは羨が乱葬崗落ちした後にこっそり封剣を匂わせるシーンを入れてたから、衝撃の事実とは言い難くなってるのが残念。実際この場で本気で玄羽の正体を知らなかったのって、モブの門弟さんたち以外は金凌だけなのよね…。

金鱗台から逃げます。
いやいやちょっと、芳菲殿前の門弟の人たちぼんやりしすぎじゃない?
変な間伸びのせいか深刻になり切れない上に、段差が小さい階段をちょこちょこ駆け下りる様子が可愛いんじゃよ!
忘機が羨の腕を掴んだままだから余計。あれか、現実的にはタイミングを合わせるため、物語的には共情後で本調子じゃない羨が階段を転げ落ちないようにという忘機の気遣いか。
踊り場で囲まれるお二人。
逃走の方法自体は原作と違うけども、羨と忘機それぞれの思いは原作と同じなので、ドラマバージョンも良いと思います。忘機の名誉を守るために自分から切り離そうとする羨と、羨の傍を離れる気など微塵もない忘機。ニヨる。
過去編の忘機は対岸から手を伸ばしてただけだったけど、現在編の忘機は完全に羨側に立って同じ方向向いてますから。ブレない。すごい安心感。羨の死後16年かけて熟成された気持ち。もうドラマも悔いとか通り越して愛情でいいと思うの、ブロマンスだけど!
ここで忘機に覚悟を問う羨の台詞が、過去編の窮奇道で止めに来た忘機が羨に言う台詞と被るのよ。過去では決別を意味した言葉が、今は絆を確かめる言葉になってる。「愚問だ」の忘機好き。あの頃とは本当、忘機変わったなぁ。羨に死なれたのが心の底から堪えたんだろうなぁ。
金凌、いつの間に降りて来た?
あなた上にいたよね。階段に脇道でもあるのか。
羨が脇っぱらを刺される訳ですが。
ドラマの門弟さんたち、黙って見送ってくれるの親切だな!?(ぽかーん)
原作だと金凌に羨が刺されたのを機に乱闘が始まります。あの忘機でさえも息が上がるくらいの戦闘を経て、失血で意識が朦朧としてる羨を背負って御剣で逃げ切る。

不夜天の回想。
江澄は最後の最後で踏みとどまったわけですが。そう言えば16年経った今でも2話で景儀が誤解してたとこ見ると、知ってるのは羨と忘機と澄本人だけの様子。忘機も澄も真相を黙ってたのは、羨の意図を汲んでくれたからかな。澄はこの後おそらくどん底まで後悔して、羨を憎むことでどうにか自分を保って来たんでしょう。どこまでも不器用…。
自分の傍に澄じゃなく忘機がいることが、まだちょっと不思議な羨。
忘機はね、愛だから。澄羨間のとは違う愛。大事にしたくてしょうがないのよー(原作脳)。

雲深不知処。
お目覚めの羨の顔に「まぶしー」って書いてある(笑)
ドラマでは献舎(舎身呪)の傷がひとつ残ってたっけね。確かこの後触れられずに終わっちゃってたと記憶してるけども、羨はもうひとつ、金凌から移した悪詛痕も足に持ってます。忘れられてる…?
原作だと莫家荘で献舎痕は4つとも消えていて(解消済み)、ここで目覚めたときは足の悪詛痕も消えています。どうやら明玦の体を全部見つけたことで呪いが解けた様子。
この時点で原作は羨が抱える時限爆弾が全て解除されて自由放免になりますが、ドラマはまだひとつ残ってる状態。忘機としてもまだ安心できませぬ。
生前の莫玄羽が何か、ただの変な人ではなかったかもしれないような話になってる。
玄羽はもしかしたら自分を守るためにおつむが弱いふりをしてたのかもしれない、とか。原作玄羽は献舎の代償が莫家荘の中だけだったから黒幕その2に利用されただけだろうなーくらいで特に悩まなかったけど、ドラマはターゲットに光瑶が入ってるから勘ぐりたくなる。

おかえり随便。
切ない。思い入れがないわけがないんだよ、10代で霊が宿るほど絆が深いんだから。この先、戦いで活躍させてやれる機会がないのが辛い。
でも感傷は一時、すぐ切り替えられるのが羨なのです。自分で選んだ道だから。強いなぁ。

㬢臣兄様大好きすぎる。
「申し訳ないが」と言ってるけど、羨にとってはここほど安全な場所はないです。羨に気を遣わせないように、宗主である自分が強要してる体を演出してくれてるのが優しい。
光瑶を悪ではないと信じてる㬢臣が忘機と被る。被るゆえに、忘機としては気持ちが理解できるので否定できないんだろうなぁと思う。㬢臣が否定しなかったから過去の自分は色々乗り越えてこられたんだからね。
それでも中立という言い方で味方になってくれる兄上は本気で良い人です。ありがとうありがとう。原作脳だとこのときは兄上、既に忘機の気持ちを知ってて理解もしてる状態ですから。光瑶のこととは分けて、大事な弟の恋路を全力応援中。
藍氏双璧の鉄壁防御に守られてる羨。孤軍奮闘だった過去編との違いよ…過去編では説明する機会どころか、何ひとつ耳を貸してさえもらえなかったからなぁ(しみじみ)。

清心音の再現。
このシーンの3人の台詞のやり取りは原作とほぼ同じです。「難しい曲」「吹き間違え」「一部分が」という言い回しから、字面で見てたときはほんの一音か二音、音を外すとかタイミングがズレるとか、その程度の本当に些細なミスに感じるくらいのものだと思ってた。だからドラマで最初に聞いたときは、「違和感がない」と言う昭和歌謡の部分も正しい清心音で、その中のほんの一部が変えられてるのかと。これだけ曲調が変わるならそれは確かに難しい曲だよなーくらいに思ってた。

禁書室へ。

「乱魄抄」の読み方
ドラマ→らんはくしょう
原作→らんぱくしょう

らん「ぱく」しょうで馴染んでたから、違う読み方がとてもとても気になるんだよ!
地名の彩衣鎮(原作「さいいちん」ドラマ「さいいちょう」)でも思ったけども、何で変える。原作と一緒じゃダメなのかー(よよよ)

気を取り直して、乱魄抄。
東瀛とは日本のことです。だから昭和歌謡だったのね!
和風な楽曲の部分全部が乱魄抄でした。
違和感だらけだわ!
改めて曲として繋げて聞くと、とても気持ち悪い。確かにこれは心を乱すわ。


明玦の死の原因は乱魄抄では?、で、次回持ち越し。
羨の問いに誠実に答えてくれる㬢臣兄様がやっぱり優しい。心の中では否定したい方向に話が向いてってるだろうに、穏やかに、冷静に、ひとつひとつ事実を確認していく。
光瑶を追い詰めて行く作業のはずなのに、㬢臣を追い詰めて行ってるようで、忘羨ともに心苦しいんじゃないだろうか。ごめんね兄上ー…。