窖改

好きを語り倒す

陳情令感想 最終話 忘羨

陳情令第50話(最終話)感想です。
原作との比較と、がっつりネタバレしますのでご注意。



タイトル…!!(叫)
屠戮玄武戦のときもタイトルで叫んだけど!
この表記はよいのか検閲。これを腐女子用語と解釈するのは日本人特有なんだろうか。


懐桑の策謀。
豹変したように見えたんだ。ドラマと原作だけでは腑に落ちなくて。今なら分かる。懐桑がこの程度で光瑶を許すわけがない。
復讐することしか頭になくて、㬢臣兄様の心にどれだけでっかい傷が付くかなんてお構いなしだったんだろうな。

光瑶、最後の弁舌。
私の心が荒んでるのかしら、挙げ列ねられる藍氏への対応が押し付けにしか聞こえない。光瑶の㬢臣に対する行動が全て、親愛や真心でなく打算の上に成り立ってるものとしか思えないので、何を訴えられても結局保身のために㬢臣を囲っときたかっただけだろとしか感じず。
「名を覚えていたと言うだけで、蘇渉はあれだけ私に報いた」
蘇渉はそうね。ならあなたはどうなの。それだけ報いた蘇渉を、ついさっきあっさり見捨てたの誰。
盲目的に崇拝してただけの蘇渉と、信じて見守って慈しんできた沢蕪君を一緒にするな。
これだけ喋って口から出てくるのは自分勝手な釈明と言い訳だけ、とにかく何事も悪いのは周囲で自分じゃない光瑶の思考は、見事なまでに羨と対極だなと思う。

血で封印を解きました。
㬢臣兄様が優しすぎる。責任を取ろうとか思っちゃったのかな。でも兄上が一緒に死んでやるほどの価値などないと思いますわ。
ここで自分を受け入れようとしてくれた㬢臣に対して、初めて自分から報いようとしたように見えるけども、今までが今まですぎて微塵も同情心が湧かない私には、この行動でさえも最後の最後で㬢臣に最も深い傷を残す最大の手管だったんじゃないのと思えてしまう。これで一生彼は私を忘れられない系の。呪いと言ってもいい。

この後の展開(光瑶の死に方)は、ドラマと原作でだいぶ違います。

ドラマの場合。
濁されてますが、おそらく崩れる内装に巻き込まれて、と言うことでしょう。
て言うか豪快に崩れてたから観音殿の建屋ごと全体が崩れたのかと思ってたら、中だけだったのがビックリだ。羨が外に出た後、入り口からボフッと煙が出てきたのが、なんかアメリカのコメディアニメみたいに見えたのが微妙な感じで何とも…。

原作の場合。
棺の封印を破った途端、中の明玦が出てきて光瑶と㬢臣に掴み掛かります。㬢臣を突き飛ばし、ひとりで明玦に捕まった光瑶は、首をへし折られて棺の中に引きずり込まれます。棺の蓋が壊れてるので、仕方なく観音像を蓋代わりにして、羨と忘機で再度封印。その際に忘機が弦で縛るために、観音像と羨が乗った棺を片手で斜めに持ち上げるという怪力を披露。力持ちなのは知ってたけど、限度ってものが…!
この後、羨が遠回しに懐桑を問い詰めるも、のらりくらりと尻尾出さないので打ち止めにしますが、その辺はドラマでは全カットになってます。

㬢臣と懐桑。
どの面下げて…!ゲフンっ
いや、よく㬢臣の傍にいられるなと。兄上、心を吐露する相手、間違ってますー!
憔悴したお顔が辛い。このお顔を見て、懐桑がほんのちょっとでも㬢臣兄様に悪いことしたなと思ってくれたらいいんだが。

四つめの献舎の傷が消えました。
ようやく自由!おめでとう羨!
金凌から移した足の悪詛痕は完全に忘れられてるなー。まぁよいですよいです、金鱗台で消えてるはずだから。
ドラマのターゲットは光瑶だったわけですが。
光瑶、献舎してまで復讐したいと思われるほど玄羽に何したんだろう。嫁さんに付きまとっているのを理由に金鱗台から追い出しただけで、そこまで恨まれる?玄羽が夫人に本気だったら恨まれる、かな。謎。

増援(?)到着。
弟子っ子たち、誰も啓仁先生の言うこと聞かないと言うね(笑)
思追の登場が原作通りにここだったら、羨と忘機んとこに真っ先に来たの彼だったと思うんだ。思追が当事者になっちゃってるから、子真にお鉢が回ってきたと思われ。思わず何でお前?って思っちゃったじゃない、最後にいいとこ持ってったなぁ子真。

澄と羨がお互いを意識してるシーンがあるのに、羨の「ありがとう」(おそらく陳情を持ってきてくれたことと、捨てずに保管しててくれたことへの礼と思われる)と、
「これは、俺が持っとくな?」
「もともとお前のだ」
の会話がないのが寂しい。
でも、まだぎこちないけどギスギス感がないだけでも良かった。

懐桑。
光瑶の帽子がだいぶ不自然なとこにあるなー、というのはまぁ置いといて。表情が読めない懐桑の様子が解釈しきれなかったんだ、何を思ってるんだか分からなくて。
初見の頃は光瑶に対して何かしら思うところがあったのかなぁとか思ってたんだけども、そうじゃないと思い直した。あれは長い間心を焼いていた復讐が成って、燃え尽きた顔だったのかもしれない。帽子から手に移った血を見て思ってたのは、映像では孟母子の姿だったけど、明玦兄に仇は取ったと言ってたんじゃないかしら。

江澄の秘密と涙。
澄…!!
やっぱりあんたたち兄弟だよ、血は繋がってないけど!
澄が真実を言えなかった理由は、羨が金丹のことを澄に言えなかった理由と同じです。自分の判断でしたことを、言い訳や押し付けにしたくない、相手に気持ち的な負担をかけたくない。ただ、澄の方が羨ほど小慣れてなかったんでしょう。秘密を知った後に今までの澄の態度を顧みると、羨に対して罵るときによく「英雄」という言葉を使ってたのは、自分の行動が根っこにあったからなんじゃないかと思える。英雄のような行動を、誰にも知られずにやってたのは自分もだったからね。あの自己犠牲をやらなければ、と思ったことが少なからずあったんじゃないかと。
ドラマはリアルタイムで薄っすら予測できる見せ方してたけども、原作は気配すらなかったので衝撃の事実だったなぁ。
羨と澄が、昔のような距離感になるのはきっと難しいでしょう。別々の道を選んだからね。でも澄はこれから先は、忘機を横目で睨みつつ(兄貴を奪った張本人)羨の幸せを全力でバックアップしていくと思ってる。
その上で、澄自身にも幸せになってほしいです。蓋開けたら実は澄が最も孤独キャラだったと言うね。

駆け落ちしてる忘羨(語弊)
思追が阿苑でした。これも原作はドラマほど匂わせなかった(むしろ無臭。一巻の頭付近で羨の草笛に薄っすら覚えがあったことくらい)ので、衝撃の事実だったんだ。
過去編の羨が命を賭けたものが何ひとつ守れなかったと思ってたら、たったひとつだけ残ってた。阿苑が生きててくれたと知れただけで、悪夢のような過去が全部報われた気がして、とてもとても嬉しい。羨もきっとそんな気持ちだろうと思う。
何の指導をしているの(笑)
「大人になっても土に埋めるぞ」
ありがとうドラマ!大好きすぎるこの台詞!
羨のマシンガントークに敵わない思追が、嬉しそう楽しそうで可愛い。足抱っこが可愛い。幸せ。愛。

温寧とお別れ。
独り立ちさせないとーとか言ってたのに、いざ離れるとなると寂しいか羨。保護者みたいなもんですもんな。
思追と関わって、末っ子からお兄ちゃんになったっぽい温寧、ちょっと逞しくなったかな。
ここもまた、それぞれの道。

忘機とお別れ。
はーーー!?
いや待って、あり得ないあり得ない!(動揺)
何で受け入れてるの羨!それがあなたの美徳で愛しい特性だけど、そうじゃなく!
めっちゃ寂しそうな微笑み…(悲)
いくらBL禁止で検閲厳しいと言っても、さすがにこれはないと思った。ドラマ忘機は不夜天で一緒に戦えなかったのが悔いだと言ってたから、現在篇で最後まで完全に羨側に立って戦えて、悔いも解消したしこれでもういい満足ってこと?あれだけ温もりを与えておいて、また独りになれって?温寧と別れるのとは別次元なのよ!
と、50話通して初めて忘機を張っ倒したくなった。初見の動揺、本当半端なかったっす。憤りで吐き気までしたからね。
忘機は木や山のように雲深不知処に、羨は流れる水のように自由に。会えるかどうかは羨の意思次第。美しいです。美しいけど。

道が別れるのは過去編だけで十分だ!!(叫)

って思ってたら。

速攻迎えに来た。

忘機…!!
お前、自分からバイバイしておいて!
くそう、やられた。私の憤りを返せー(いや返さなくていい)
良かった、本当に良かった、あのまま別れて終わってたら読破組の反発凄かったと思うわ。むしろ忘機が江澄に命を狙われてたと思うわ(割と本気)。
羨の笑顔が眩しい。良かったなー。

ここで終わるのかと思ったら続きがありました。
あれ。

雲深不知処。
忘機が仙督になってるとか!(えええ)
ドラマ忘機、足枷多いな。
ん、あれ、仙督って宗主じゃなくてもなれるの?㬢臣兄様どうした?
原作㬢臣は心の傷が深くて閉関に入っちゃいましたが宗主は続行です。仙督は空席。忘機は自由の身のまま。
規訓石の前に懐桑。
はっきりはさせないけど、お前が黒幕だって分かってるぞと釘を刺す羨。でも懐桑の目的は明玦兄の復讐だから。仙督に興味はないと思われます。
しかし懐桑もしっかり黄金世代だったんだなぁと思った。何が突出してるかがそれぞれなだけで。羨たちの世代って本当、良くも悪くも粒揃いだな。でもこの先、忘羨が懐桑を本気で信用する日は来ない気がする。

楽曲『忘羨』大サービス。
いいとこですね、湖に滝。CGなのか実際の景色なのか分かんないけど、清々しそう。
羨とまた合奏できることが嬉しいんでしょうか、忘機が穏やかな顔してる。今度は突貫の竹笛じゃなくて、ちゃんとした音が出る陳情だから余計かな。
誓いの言葉。
忘機が仙督になっちゃったから、原作のように気ままに2人旅はできないでしょうが、これからは羨も雲深不知処を拠点にして夜狩を続けていくんでしょう。先のバイバイのように、うっかりしたら二度と会わないかも知れないような終わり方じゃなくて本気で良かった。

絆は永遠に。
本当は考えたくないことなんだけども、羨は普通の人間と同じです。自然死だけを考えたら確実に忘機より先に逝く。
残される忘機は二度目だし相当辛いと思うけど、残してく羨も辛かろうと思うんだ。だから今は全力で羨を幸せにしてほしい。それだけを心から願っています。


いいドラマを作ってくれてありがとう!
50話長かったー!満足!