窖改

好きを語り倒す

陳情令感想 45話 在りし日の面影


陳情令第45話感想です。
原作との比較と、がっつりネタバレしますのでご注意。



伏魔殿。
蘇渉を口で追い詰めていく羨。
ここで真っ先に羨の弁舌に乗ってくるのが、ついさっきまで筆頭になって羨を殺せと扇動してた姚宗主。調子良いにも程がある。
更に蘇渉に追い打ちをかけるために羨が出した2枚の紙は、ドラマでは伏線が省かれちゃった原作ネタです。雲深不知処の禁書室で㬢臣と3人で楽譜を探す際に、原作では羨が奏でた「清心音ではない部分」を忘機が人数分譜面に起こして、それを元に原譜を探します。羨が啓仁先生に見せようと出した紙は、自分と忘機の分の写し。芳菲殿の隠し部屋で見つけた本物と偽った博打は羨の勝ち、という話。
鬼面の男は蘇渉。
蘇渉って自己顕示欲と自尊心が強いだけで実力はなかったはずなんですよ。仙門立ち上げて宗主になったとは言え、四大世家とは比べ物にならない。それが現在編になったら、伝送符は使うは忘機の禁言術は自力で解くは剣もそこそこ出来るはで(どれも相当の霊力がないと不可)、この16年光瑶の役に立つために頑張って修練したんだなぁと、うっかり感心してしまった。だからって印象が良くなったりはしないが。彼は鬼面の格好してた方が似合うと思う。

で、えー。
実質、第一次乱葬崗殲滅戦がなかったために、こっから色々省かれるんだよ、惜しい!好きシーンいっぱいなのに!
ドラマも一応あるにはあるので確認のために書いておくと、

第一次乱葬崗殲滅戦とは、
ドラマ→羨の死後、温氏残党も誰もいない無人の伏魔殿、伏魔洞を焼き払ったことがこれにあたるっぽい。戦になってないのであくまで名目ですわね…(しゅん)
原作→血の不夜天の3ヶ月後、乱葬崗に潜伏してる羨と温氏残党50人を一掃するために、金氏筆頭にした連合軍が仕掛けた戦。この激戦の際に羨が術の暴走で死亡。温氏残党の50人は全員殺され、死体は血の池に沈められた。

ということで、ドラマもこの度の戦闘は「第二次乱葬崗殲滅戦」っぽくなって、ます。

「若君、破られます」からの、「第二波が来たら」。
速いわー!(叫)
て言うかドラマ第一波しか来てないし…原作の台詞そのまま持ってきてるから齟齬が生じておりますんですよ。ドラマ派の人「???」になってない?
なぜに「第二波」かと言いますと、原作では蘇渉逃走後、温寧の「破られます」のタイミングで彷屍の大群が伏魔洞内になだれ込み、全員でどうにか全滅させています。これが第一波。ドラマはここが全カットになってる。

羨の囮作戦。
大好きなんだよここら辺!
自分を殺しに来た人たちを命懸けで守るとかどうかしとるわ!(褒め言葉)
逆に冷静なのか。自分の縄張りで死人が出たら光瑶の思う壺って分かってるから。でももし光瑶の策略ではなかったとしても、羨なら同じ行動取ってただろうな。
このエピソード辺りから強く思うようになったけど、現在編になってから本当に忘機、羨を止めなくなった。その代わり徹底して傍にいる。命懸けで羨がしようとしてることに対して肯定以外あり得ない姿勢が、如何に彼を信じて認めてるか、彼がいない16年間が辛かったかを表してるようでね。原作脳だと愛しか言葉が出てこないのよ。
文章から想像するしかなかったものが映像で見られるっていいなぁ。召陰旗羨とセコム忘機はこんな動きをしていたのね(ガン見)

で。
血の池が全カット…!!(悲)
分かってる、ドラマはここに温氏残党の人たち1人もいないの分かってるけど!
大好きエピソードだったから残念すぎるーるるる(涙)。
ドラマ派の人には、血の池に誘導した傀儡を忘機が上手いこと退治したと思われてるのですよね。違うんだよ、実は。
温寧も加わって血の池に誘導しようとしたけど彷屍の数が多すぎて囲まれてしまって、直前で身動き取れなくなってしまいます。あわやというところで、血の池から血屍(けつし←血まみれの彷屍)になった温氏残党の人たちが現れて助けてくれるの。温寧が戻ってくるのを13年間(原作時間)ずっと待っててくれたのね。きっと羨に恩返しもしたかったんでしょう。敵を全滅させた後、役目を終えた血屍たちは全員灰になって崩れ落ちます。今度こそ、本当の死。ありがとう、ありがとう。あなたたちのことは決して忘れません。
これを全カット!
なんで第一次乱葬崗殲滅戦しなかったー!(最初に戻る)

忘羨+温寧が囮になってるうちに麓まで逃げた仙門の人たち。
自分らが寄ってたかって殺そうとした相手から、1人の犠牲者も出さず安全に逃がしてもらっておきながら、その言い草。姚宗主は本当に調子良い上に自分勝手が過ぎる。腹立つ。
あからさまではないけれど、江澄が羨の身を案じてる素振りを見せてくれたのは嬉しい。討伐軍側にはいるけど、本気で憎みきれない葛藤が続いているのだね。いつもながらギリギリにならないと本音が出ないんだからこの子は、もー。
倒れる羨は目の保養(え)。
ドラマの醍醐味。視覚に訴えるなんてずるい(うふ)。

桟橋で。
姚宗主たち見てるとどっちが下賤か分からない。命を賭けてる1人に対して大多数がこれだから、数の暴力って怖い。
埠頭の弟子っこたちのところにやってくる温寧の髪が何でこんなにぺっしょりしてんの、ヘアメイクさん失敗した?(失礼)って思って。
違った、思い出した。これもおそらく原作ネタです。ドラマでは陸に上がってますけども、原作は船上での出来事でした。色々都合で、温寧は思追たちが乗ってる船の船体にへばりついてたの。川に浸かってた名残りが、ドラマのペしょ髪だと思われ。
温寧と思追。
温寧、気づきましたねー。この2人、等親は離れてるけど血縁です。思追いい子。可愛い。
温寧と金凌。
ここはな…。羨の場合は両親の死に関わっただけだけど、温寧は父親を殺した本人だから。
でも弟子っこ世代からしたら上の世代の話で、金凌以外はあまり実感がないのかな。仇がどうより、思追を突き飛ばした方に比重が行ってる。実感はないくせに金凌を責める口実にはちゃっかり使う、くらいの感覚なのがまだ子供なんだろうと思う。重みが分かってない。
金凌も相当心に抱えてるんだろうなぁ。両親がいないことに関して、金凌が悪いことなんて何もないのに。
江澄、お前はまた…!
金凌泣かせた腹いせのつもりか。ちょっと前に蓮花塢に来て墓前で詫びろって言ったくせに、どの面下げてだとう!?羨が平気だとでも思ってんのか、おバカ!(くあっ)

蓮花塢前。
あー、先の台詞、実は羨にじゃなくて温寧に言ってた?分かりにくっ。
畑に植えられたとき阿苑2、3歳だったから!5歳ってどっから出てきたドラマ…。
温寧、思い出話で思追の記憶を刺激しようとしてたのかな。
蓮花塢の門は、羨にとっては金鱗台よりも敷居が高いと思います。それこそ、どの面下げてって、自分が一番思ってると思う。でも羨は腹括るのも早いから。
うさぎと一緒に育てられた思追。
彼の可愛らしさはうさぎ譲りかーい!確かに雲深不知処のうさぎは可愛い。にんじん好きな思追も可愛い(和)

女性2人の話。
まずは思思。11年前と言うことは、羨が死んでから5年後くらいにあった話。
思思は原作とだいぶイメージが違います。妓楼で人気者だった彼女は、肝が据わっててきっぷも良い姉御肌の人でした。ドラマでは答え合わせがないのでここで言っちゃうと、1人だけ生かされたのは同じ妓楼で働いていた光瑶の母親を何かと気にかけて助けてくれていたからです。
光善、だいぶえげつない死に方してますな。この人の場合、自業自得と言っていい気がするが。
続いて碧草。こちらは羨の死後3年弱くらいの頃の話。
光瑶と秦愫は異母兄妹でした。芳菲殿で夫婦が揉めてたのは、秦愫があのとき初めて事実を知ったからなのね。


光善はどうしようもない、で、次回持ち越し。
今回のタイトル「在りし日の面影」って、思追の幼い頃だったり蓮花塢の門構えだったりを指すんだろうと思いますが、読破組にはこれに加えて温氏残党の人たちも含まれるように感じる。
血の池、削られちゃったけど。あそこにいたんだよ。大切な人たちが。