窖改

好きを語り倒す

陳情令感想 26話 雨の中の選択

陳情令第26話感想です。
原作との比較と、がっつりネタバレしますのでご注意。



金鱗台。
蘇渉が仙門立ち上げて宗主になってました。
やめて、蘇宗主(スーそうしゅ)って日本語だとものすごく言いづらいんだよ!
入り口での蘇渉と子勲のやりとりは、読破組ならピンと来る伏線。あー、これねー。
元々藍氏の門弟で破門されてることを光瑶が知らなかった、というのが本当なら、座学のときは顔を合わせなかったのか。射日の征戦後に開いた新興仙門の宗主、という認識のようです、が。
いやーなんか、全部計算づくっぽいなぁ。本当は事情知ってて、自尊心の高さと承認欲求の強さを利用して駒にする気で近づいてそう。

巻狩りの獲物は分配。
これ、私的に陳情令(魔道祖師)に於ける最大の謎です。献上と言ってるからには価値があるものだと思うんだけど、江氏が狩ったの凶屍や悪霊や邪崇です。何をどう分配するの。狩る=退治する認識なんだけど、そっから間違ってる?(悩)
意味は分からないけどもとりあえず、江澄ご苦労様です。胃薬をお渡ししたい。

藍氏双璧と子勲。
ここで子勲を名士で豪快と褒め称えたそっち側の修士ども、そこへ並べ、正座しろ。ありえないだろ、どんだけ腐ってんの。
そんなにマウント取りたいのか。温晁の方が直情バカなだけまだ可愛げがあったわ。
大人な対応の㬢臣兄様。
羨の酒を受けたのとは味が違ったろうと思います。

羨vs金親子。
この場で至極真っ当な思考でものを言ってるの羨だけなのに、それが異端になってしまう権力が腹立たしい。
表情がない羨のお顔が綺麗すぎて怖い。心の底で熾火がジリジリしてるのが分かる。よく我慢したな。
誰に何言われてもターゲットから目を逸らさない羨が、忘機に呼ばれたときだけ目線がそっちに動くの。忘機の声にだけは反応するのねー、ってニヨる反面、そばにいててもガン無視されてた江澄がかわいそうになった。この後おまえの尻拭いさせられる江澄の身にもなってあげて…!いや悪いのは間違いなく金氏なんだが。

蘭陵の街で温情と合流。
温寧のために必死な温情が。師姉といい、この作品に出てくるお姉ちゃん、好き。
金氏は滅んでヨシ。

双璧と光瑶。
「すっかり変わってしまった」のはどこら辺ですか兄上。天真爛漫さが薄れて、牙を剥くようになったことですか。そうならざるを得ないように仕向けてるのは周りなんだけどな。
羨は子勲に最初に2人で話そうと促しました。衆人の前でする話じゃないもっと穏便にと言うなら、頭から侮って尊大に振る舞った子勲を責めるべきなのに、さり気なくかつ最もらしく羨が悪いように話を持っていく光瑶が腹立つ。
光瑶のような悪意はないとはいえ兄上もまた誤解してるうちのひとりなので、忘機に「力を尽くせ」って言ってくれるのは羨を案じてだと分かってはいるんだけど。違うんだ、そっちじゃないんだー。
ちなみに3人の会話は原作でもありますが、㬢臣が忘機を送り出すのはドラマオリジナルです。え、忘機行くの?って思った。

窮奇道へ。
ドラマでは言及がないのでちょっと解説。
窮奇道とは元々温氏の土地で、切り立った崖に挟まれた道です。絶壁には温氏の栄光や武勲や歴史が彫刻されており、観光名所にもなってました。温氏討伐後、金氏の土地になったため壁画を全部削って金氏仕様に彫り直すことになり、莫大な労力が掛かる人足に奴隷同然の温氏残党を使えばいいじゃんとなって、それに温寧一族があてがわれたのです。
豪雨の中、窮奇道の前でデカい旗を持ち阿苑を背負ってうろついていた温婆さんは、年寄りゆえに壁画を削る力仕事は出来ないからと、ただただ意味もなく拷問まがいに歩かされていただけ。
金氏、滅んでヨシ(再)。

温寧を探す温情と羨。
画面が暗すぎてよく見えないー、と思ってたら、リアル豪雨の中で撮影された映像でした。こんな雷ゴロゴロ土砂降りの中で、役者さんもスタッフさんもすごいな。欲を言えばもうちょっとだけでいいから、せめてキャストが画面のどこに映っててどう動いてるか分かるくらいまで明るさ修正していただければ…!
阿寧いました。
貰い泣きしそうになった。
護符ー!最期まで持っててくれたの…!
これ見たらね、羨が守ってやれなかったって自責の念に駆られるの分かる。何でこんなことになった、ってものすごく考えてんだろうな。

温氏残党は実験のための捕虜。
え、なに、何の話?
窮奇道の説明で書いたように、原作は捕虜を人足に使って、死んだり殺したりした者を捨て場に捨ててただけでした。ドラマでは違うっぽい。
実験って何だ。ここで言ってる金の若君とは、おそらく光瑶のことと思われます。今の時点では子軒も子勲もいるけど、実験て言葉が光瑶にしか繋がらない。具体的に何の実験かはよく分からないけども、陰鉄絡みだろうとは予測できます。対外的には最後の陰鉄のカケラは羨が陰虎符にした(世の中に陰鉄という形ではもう存在しない)ことになってるけど、だいぶ前から光瑶は行方不明のはずの薛洋と結託してると思われるので。
光瑶より羨のが怖い監督官。
どこまでも自業自得というか、保身もここまで行くとな。殺したら殺しただけ羨の兵隊が増えるだけなのに。羨に「死人に口なし」は通用しないわよ(原作)。

傀儡化した温寧。

ドラマ→霊識を奪われてるだけで体は生きてる。
原作→完全に死人。

なので、この先も温寧の扱いが原作とだいぶ違います。まだ生きてる縛りって結構厳しい気がすんだけど、まぁ、まぁまぁ。
原作でもこのシーンは、羨の制御から外れてしまった温寧が暴走して監督官を数人殺してしまいます。割と単純。
しかしドラマは、陰気の扱いをより困難で羨に負担をかけるようにしてる上に、霊識が欠けたり奪われたりしてる温寧はそもそも邪崇に取り憑かれやすいというオリジナル設定があるので複雑化してる。ドラマのこのシーン、羨が陰気を使って温寧を操っていたら、羨の指示より陰気の影響をより強く受けて暴走しちゃったから、羨が温寧に纏わりつく陰気を自分に取り込んで行動を強制停止させた、ように見えるんだが。合ってる?

忘機到着。
あの叫び声は誰。羨?
金氏に対する憤りと、温寧に対する悲しみと自責と、ごっちゃになった負の感情全部込めた咆哮に聞こえる。

行く手を阻む忘機。
窮奇道に忘機が来るのはドラマオリジナルです。原作は誰も来ないのでそのまま逃げてた。
忘機にとっても、先の江澄にとっても、大事なのは羨であってぶっちゃけ温氏はどうでもいいのね。だから羨を助けたい守りたいってやる行動(邪道を使うな温氏に関わるな)が、羨にとっては信念を否定されることになってしまう。
忘機がどれだけ手を差し伸べても、足がある場所がそっち側である限り、羨が手を取ることは絶対にない。敵対が明確になってしまったシーンでしんどいです。何で止めに来た忘機…。


で、次回持ち越し。
忘機が殻を破るまでもう少し。