窖改

好きを語り倒す

陳情令感想 35話 刀霊の導き

陳情令第35話感想です。
原作との比較と、がっつりネタバレしますのでご注意。



逃走中の羨と金凌。
身内のためなら自己犠牲も厭わない、と言うか自己犠牲と思ってないんだろうな、当たり前すぎて。得意分野だから余計。
ドラマは献舎の傷もまだひとつ残ってるので、呪いをふたつ抱えてる状態。平気なわけがないんだよ、おバカー!

月を眺めながら羨を待ってる忘機。
絵になる。美しい。
「江澄は永遠に味方で、藍湛とは対立すると思ってた」
まさに同じことを澄も思ってたと思うわ、羨はずっと自分の傍にいるって。羨は前に進もうとしてるけど、傍に誰もいない澄は裏切られた感から抜け出せないんだろうな…。

金凌から悪詛痕移したの、速攻バレました。
ドラマ忘機、割と冷静だな。原作忘機は、ちょっと目を離しただけでお前はまた余計なもの拾って!って形相と行動をします。だから離れるの嫌なの。
「お前らしい(お前はいつも覚えていない)」
ふおっ!
これね、おんぶに関してはドラマの回想で合ってるんだけども、原作羨の欠けた記憶のことも含んでると思うんだ。忘機、どんだけ切なかったか。
確かに、忘機からしたら玄武洞への道程も大事な思い出だと思います。きっと羨を失ってから何度も思い出してたんでしょう。でもドラマ忘機の表情と声のトーンが秀逸すぎて、それのことだけ言ってるとは思えないんだ。もっと心の奥の声に聞こえるんだ。読破組の心を揺さぶりやがってコノヤロウ!(褒め言葉)
記憶力が悪い羨。
理由があるんだよ!
今は亡き実母が幼い羨に言い聞かせた言葉がね、あるのです。羨が楽しく幸せに生きられるように、お母さんが息子に教えた処世術。
ドラマでは語られませぬが、決して羨のおつむが残念な訳ではない。

羨の運び方。
ドラマ→強引におんぶ。
原作→お姫様抱っこ。

原作忘機も割と脳筋なので。おんぶが嫌ならお姫様抱っこ。自分で歩かせると言う選択肢は元からない。
体格差があんまりないドラマ忘機ではお姫様抱っこは無理かー。
や、良いっす、おんぶ。顔が近い会話シーン、ありがとう!(によ)

宿。
何かえらい気合い入ってる、と思ったら部屋の扉蹴り開ける忘機。
ぶはっ!
ありがとうスタッフ、これやってくれて!
ドラマと原作で忘機の意図が若干違う気はするけども。いい、大丈夫、無問題。
どっちの忘機も通常では考えられない行動なのです。品行方正、雅正が家訓の含光君ですから。
原作忘機は羨をお姫様抱っこしていたので、両手が塞がってるから足で蹴り開けたの。雅正より羨優先。中にいる人完全スルーで、そのまま寝台まで運びました。
ドラマ忘機からは、何やら怒気を感じる。あれか、羨と別行動しなきゃいけない理由を作った元凶が中にいるからか。そのせいで羨がケガと呪いまで増やしてたんでは、さぞご立腹でしょう。

捕まえたのは懐桑でした。
ビビってる(笑)
行路嶺の人食い霊堂の噂と祭刀堂の話。
語られる聶氏の秘密。これだけでも面白い話だと思う。羨の人生に負けず劣らずヘビーな内情を抱えてたのね、聶氏。過去編で聶氏が金氏ほどあからさまに羨を攻撃しなかったのは、自分らも邪道に手を染めてる負い目があったからか。
ドラマでは副葬品として墓に入れるのは邪崇や悪霊で人じゃないから邪道じゃないと言ってるけど、壁の中にあったの人骨だからね。ここら辺原作と混ざってるので補足すると、壁に埋めてるのは怨念を抱えてて放っとくと直に凶屍や彷屍になる死体です。副葬品にするために殺したり、生き埋めにしたりしてるわけではないし、それで一般人に危害を加えてるわけでもないとは言え、術式として死体や怨念を使ってるなら、羨の鬼道と何が違うんだ。
座学時代の懐桑が言った言葉を復唱する羨。
単に扇子見て懐かしかったからとかじゃない気がする。わざとっぽい。懐桑にしか分からないように、自分の正体をバラすような行為ですし。
この時点ではまだ現在編の黒幕が彼だとは気付いてないはずなので、意味深な行動を取る羨の意図が分からない(うぬ)。
スリードを狙ったのかな。知らない人だったら、羨の復唱で懐桑が仮面の若君の正体に気づいたと思うかもしれない。

懐桑が退散したお部屋。
無言で羨の服の裾をめくろうとする忘機。
おい(笑)
他意がないのは分かってるんだ、心配してるだけって分かってるんだけど!橋の上でと言い今と言い、何かひとこと断ろうよ、強引で羨もびっくり。口数少な過ぎなんじゃー。
ドラマでは雲深不知処で鎮めたっきりの様子ですが、原作では道中で毎晩合奏して鎮めてました。冥室で啓仁先生を失神させたときのみならず、忘機は連日急拵えで音が外れる竹笛を聞かされてたの。思えば耳が良い藍氏直系には苦行だったよな〜、というのが羨のあのすまなそうな笑顔。そして忘機の微笑みが悪いニヤリ笑いに見える(笑)
ドラマと原作を混ぜて考えると、直した笛の正確な「安息」で剣霊が鎮まらなかったのは、下手な音に慣れてたからじゃなくて、羨がひとりで吹いてたからじゃないの。忘機の琴と合奏じゃないとイヤ、ていう。
…うっかり可愛いワガママだなと思ってしまったじゃない、剣霊のくせに!こいつの正体知ってると余計に可笑しい(ぷぷ)

久しぶりなのでおさらい。
封悪乾坤袋に入ってるもの。
ドラマ→剣霊。
原作→左腕。

再び祭刀堂。
だいぶドラマオリジナルになっておりますね。
剣霊の正体は刀霊で、赤鋒尊の覇下(バーシァ)と判明。明玦兄は死んだことになってるけども、発狂したあと逃走したまま死体は見つかってないことも判明。
忘羨の推理を傍で聞いてる懐桑が何やら不穏。初見の人は誤解しそう。いや確かに絡んではいるけども。
しかしドラマ、壁の死体全部掘り返したのが無駄骨とか、後で直さなきゃいけない懐桑たち聶氏の人たちが不憫。
原作では壁の中の死体のひとつに、片腕兄さん(左腕のあだ名)の両足が縫い付けられてました。
祭刀堂の外で懐桑とお別れ。
このしおらしい様子が半分芝居かと思うと、同情と立腹が半々で複雑。光瑶と違って悪意で利用してるのとは違う、けど、利用してることには変わりないので。振り回される羨が大迷惑という。忘機(羨専用セコム)頑張れ!

櫟陽。
悪詛痕は足にあるんだが、何で腕を気にする?
って思ったら、献舎の傷のことを言ってる様子。献舎の呪いも悪詛痕の内なのか。
「問題は悪詛痕じゃない」
どう言う意味?
何にかかる台詞か分からない。深刻そうだし忘機に聞こえないようにモノローグでの台詞のとこ見ると、重要な気がするんだけど。体調不良の原因の話じゃないの?
献舎の傷も金凌から移した悪詛痕もタイムリミットがあるものだから、時限爆弾ふたつ抱えてるみたいなものなのに、それ以上の問題ってなんだ。

「脱いで見せようか?」に対して。
ドラマ忘機→無言で無視。
原作忘機→「部屋に入ってから」

見る気かーい!
原作忘機…(笑)

羨の推理。
赤鋒尊を殺した者と、莫家荘に刀霊を放った者は別人。
これ原作初めて読んでたときも、頭こんがらがって「???」てなってた。真相全部理解した状態で見て、ようやく言ってること分かった。羨の推理力すげぇな。
ここで突然羨が脈絡のない話を忘機に振ったのはワザとです。忘機のうっかりミスを期待したんだけど引っかかってくれなかったの。さすが忘機、その手には乗らん。

旗亭酒楼。
ドラマは過去編で既に来てるとこだからね。回想が懐かしい(しんみり)。
原作では現在進行形で起きてる常氏の怪異でしたが、ドラマでは羨たちが座学時代に解決してますもんね。十何年も語り継がれてたんだなぁ。
薛洋の動向。
ドラマ薛洋、羨が死んだ後すぐ自分から金氏に行ってたのね。自分からというか、十中八九光瑶が手引きしたんだろうが。
薛洋おさらい。
櫟陽常氏で羨たち座学組みと星塵宋嵐組みに捕まる→当時聶氏にいた孟瑶(光瑶)が聶氏に連行→聶氏が温氏の襲撃を受けてる隙に逃走→7年くらい行方知れず(光瑶の庇護下にあったと思われる)→羨の死後、金氏へ→光善の下で陰虎符の復元作業→光善が死んで光瑶が宗主になり金氏から追放→今は?

世は無常。
忘機が自ら酒を飲むほど世を嘆いたのは、星塵と宋嵐を憂いてだけではないと思う。自分とは関係ないことに巻き込まれて人生を狂わされた星塵と宋嵐が、過去と今現在の羨に重なったんじゃないのか。


無常ゆえ酒を食らう、で、次回持ち越し。
羨、笑ってられるの今のうちだけだぞー。
忘機に酒を飲ませてはいかんのだ。色んな意味で。