窖改

好きを語り倒す

陳情令感想 33話 16年後

陳情令第33話感想です。
原作との比較と、がっつりネタバレしますのでご注意。




不夜天。
邪道はどっちだ。
自らを正義と疑わない連中の異常さが怖い。結局陰虎符が欲しいだけで、破片に群がる群衆が浅ましくて気持ち悪い。
で、1話の冒頭に繋がる訳です。

「戻るんだ」
どこに?
裏があることに勘づいた忘機なら、盲目的に正道に戻したい意味での「戻れ」ではない気がするんだ。やっと殻にほとんど割れるほどのでっかいヒビが入ったのに。遅すぎた。
ドラマ羨にはもう、何も残ってないから。守るべき温情一族は全滅、師姉まで失って。「絶望」という言葉がものすごく重いです。自分が生きてなきゃいけない理由が分からなくなっちゃったんだろうな。

トドメを刺しに来る江澄。
江氏粛清の際の澄を思い出した。処理しきれない悲劇に見舞われたときに、羨を悪者にして逃げる悪い癖がまた出たなと。同じように思いとどまったけど、あのときと違うのは羨が自ら死ぬ気だったこと。
羨としては、これで澄を守れる、柵から解放してやれると思ったんじゃないかしら。世情が完全に羨=悪の一色である今、たとえ身内であっても情けをかけず、自らの手できっちり粛清する江宗主は立派な指導者であると評価されるでしょう。憎しみは全部自分が持って行くから、お前は軽くなれと願ったんじゃないかな。
ただね、澄は小さい頃から癇癪起こしてワー!ってなってやり過ぎた後、後悔して凹む子だから。今までは師姉と羨がフォローして引っ張り上げてくれてたけど、もうどっちもいない上に「弟」でなく宗主だから。自分が天辺で誰にも頼れない。この後の澄の状態が何となく想像ついてしまう。

ちなみに原作ではここら辺、どうなっているかと言うと。
まず大前提として、乱葬崗に阿苑、温婆さん、四おじさん含めた50名ほどの温情一族が残っています。金鱗台で処刑されたのは温情と温寧だけ。まだ守るべき人たちがいる。
不夜天の決起大会で師姉が殺され、陰虎符を発動させた羨は、阿鼻叫喚の中、自らも満身創痍で前後不覚に陥りながらも仲間たちが待つ乱葬崗に帰ります。この帰路の羨の記憶が抜け落ちてしまっていることが、原作では最重要。
決起大会から3ヶ月後、仙門連中が体勢を立て直し、羨と温氏残党を討伐するため乱葬崗を襲撃したのが、後に第一次乱葬崗殲滅戦と呼ばれる戦。
この激闘で羨の術が暴走し、羨は自らが召喚した凶屍たちによってカケラも残らないほど引き裂かれて死亡します。残った温氏の人たちは羨亡き後全員殺されて、死体は全部伏魔洞の血の池に投げ捨てられました。
前からちょいちょい名前を出してるこの第一次乱葬崗殲滅戦(と羨の欠けた記憶)に絡むエピソードが、原作の柱と言っても過言じゃないんだけども。ドラマにするには検閲通らなかったか。BL臭するとこ削りさえしたらめっちゃいい話なのに、ここまで綺麗にすっぱりカットとか残念すぎるー(よよよ)
ドラマでは羨の死に目に会ってる忘機ですが、原作では故あって殲滅戦不参加でした。よって羨の死は人から聞かされる。そりゃ悔しかろうし信じたくないわな…。

そんな訳で、ドラマは不夜天での羨の身投げで過去編が終了。
羨、享年22歳。15歳の座学時代からの怒涛の7年。辛かった…!!
ここから先は全力で幸せになってもらう!
いざ現在編!


16年後。
ドラマ2話からの続きになります。
過去編終了時の忘機は23歳くらいなので、ドラマ現在編は39歳くら、い。
金丹万歳!(修為が高いほど容姿を若く保てる)

雲深不知処、影竹堂。
忘機の手が綺麗。
楽器と剣を扱う手って正反対な気がするの。両立が可能なだけでなく、どっちも他より頭何個ぶんも飛び出るような威力を出せる絶妙な手を持ってるってすごいと思うのよ。忘機の努力の賜物なんだろうなぁ。

お目覚めの羨。
莫玄羽の年齢ははっきり分かりません。ドラマでは莫家のいとこが20歳過ぎてるらしいので(原作は17歳)、おそらく羨の享年とどっこいの20代前半と思われ。
シリアスだー。
いや、うん、ドラマは仕方ないす。あの終わり方した直後に、原作みたいな雲深不知処から逃げ出すぞーってわちゃわちゃコメディが始まったら戸惑う(笑)
忘機と羨の心の在り方、というかお互いに対する存在感も原作とはちょっと違うし。
ただ、根っこは違うけども(原作忘機は恋情、ドラマ忘機は友情)どっちの忘機も羨不在期間中に殻割ってますから。ドラマ羨のちょっと意地の悪い言葉は刺さったと思うけども、この先はもうブレませぬ。

朝。
この滝は冷泉(寒潭洞)に繋がってると思われる、ので、忘機が滝の前で琴を弾いてるのは朝のお務めとかでしょうか。寒潭洞の封印を維持するためとか、そんな感じの。
屋敷の中を散策する羨。
座学時代が大層懐かしい。子供でいられた時間が愛しいです。江家に関してはもう遠い話なのが辛い…。
白ウサギちゃんたちは相変わらず可愛い!もふもふ。癒し(和)
冷泉に浸かってる忘機。
あ、ここで出すのね、戒鞭の痕。シチュエーションは違うけども原作でも羨に問われて答えないシーンはあって、原作は羨の欠けた記憶に絡むので忘機としては「言わない」より「言えない」に近かったんだけど、ドラマは言ったら羨に気を遣わせるとかの考慮から「言わない」の方向だったっぽい。
で。
この先一切触れないのに何でわざわざズームアップまでして見せた、温氏の焼鏝の痕!
原作ファンへの配慮ですかそうですか、ありがとう!ドラマでは微塵も語られなくても、読破組はあれの謂れを知ってるからね。ドラマ忘機にもあるんだと思ったら幸せ。ニヨる。

冥室へ。
ドラマは朝から忘機が外にいたから予測はしてたけど、羨と一緒に入るのだね。原作は啓仁先生と共に忘機も冥室の中にいました。冥室から飛び出してきた思追たちは、忘機が逃がしてくれたの。そこに羨が駆けつける流れ。
啓仁先生を気絶させるためにわざと下手に吹くのは原作と同じ。音律を主とする藍氏は耳が良いから。不快すぎて耐えられなかったらしいので、もっと強烈に音外してると思ってたけど、ドラマわりと軽めの下手さ加減だったな(笑)
「安息」の共奏で剣霊を鎮めます。
莫家荘で忘機が持ったときは平気だったのに冥室で羨が持ったら大変なことになったのは、羨が詭道(鬼道)使いのため陰気の影響を受けやすい、と言うことらしい。
過去編のときにチラッと言った、よろけたり倒れたりする羨を忘機が支えたり抱き止めたりする構図が早速出ましたねーふふふ。現在編は忘機が吹っ切れてるから。出し惜しみしないぜ。幸せ!(によ)

静室。
夷陵老祖の悪名は健在の様子。羨の同世代や上の人ならいざ知らず、死後に生まれたような今の若い人たちにも「恐怖」として浸透してるのが辛い。
思追は出来のいい子。
これだけ頭脳明晰で落ち着いた子なのに、印象がどうしても「可愛い」なの。癒し。何だろう、空気か?

ドラマ羨は早起きだな。
これ朝だよね、昼じゃないよね、あれ?
ドラマ要素の陰鉄もまだ健在。ここら辺が入ってくると途端に原作より複雑度が増すんだ、頑張れ!
陰虎符のカケラを手本に、復元(複製)を試みてる者がいる、という予測は原作と同じ。でもさすがにドラマは過去編で実際に薛洋と絡んでるから、名前が出てくるの早いな。
「すべては俺を狙ってのことだ」
あの羨が不安そうにしてる…!
いやドラマ羨はこんな感じか。隣の忘機がなんか言いたそう。慰めたいけど今の時点では否定も出来ない。画面が切り替わらなくても多分、忘機は黙ったままでしょう。でも大丈夫、現在編の忘機はこの先ガッツリ態度に出るから。今はただあなたが羨の傍にいてくれるだけで嬉しい。

再び冥室。
剣霊の指す方角へ行ってみることにします。
寄っ掛かってくる羨から避ける忘機。
すみませんすみません、思わずニヨった。読破組なら多分分かってもらえると思うんだ。これ嫌がって避けたんじゃない。言葉にしたら「触るな」なんだろうけど、理由がね、思いがけず再会したばっかでまだ自制が効かないからなんじゃないかと。仏頂面なのが余計そう思わせる。不器用忘機(むふっ)
ドラマでは温氏討伐でも窮奇道や乱葬崗でも羨たち馬に乗ってたから、そんな珍しい光景ではないはずなんだけども、原作がほとんど御剣での空中移動だったからか、乗馬してる忘羨が新鮮に見える。

清河に着きました。
16年経っても過去と同じような逞しい商人がいるのねー。自分で美男子言ってる羨ですが、世家公子の風格容貌格付4位の実績がありますから。自惚れではない。
お久しぶりの金凌。
ていうかむしろ初めましてな仙子!可愛い!!
ものすごい心配してたのです。温晁が飼ってた霊犬がB級特撮仕様だったので、同じ霊犬の仙子はどうなるんだろうと。
生犬だった!しかも何か、ちょっとお肉付きすぎてない?と思うくらいコロコロぷりぷりで!
毛並みからしてシベかマラミュートでしょうか。多少小柄で丸みがあるので後者かな。登場した瞬間に心を持って行かれました。可愛い。もふりたい。何も考えてなさそうな平和なお顔が癒しです。


コミカルに逃げる羨、で、次回持ち越し。
そういえば羨、犬恐怖症だった。過去編がヘビーすぎて忘れてたわ。
羨には申し訳ないけども、やっぱり現在編は平和だなぁと思ってしまう。