窖改

好きを語り倒す

陳情令感想 32話 絶望の叫び

陳情令第32話感想です。
原作との比較と、がっつりネタバレしますのでご注意。



金鱗台。
師姉より金夫人の方が憔悴してる。一人息子だったからな。
直接手を下したのは温寧であって羨ではないとは言え、世間的にはここセット扱いだから羨憎しになってるわけだけども、師姉と羨を完全に分けて考えるところは一貫してる金夫人。百鳳山巻狩りのときは金夫人のこの態度が腹立たしかったけど、こうなっても師姉を大事に扱ってくれる徹底ぶりが今は救われた気持ちになった。羨の身内だからという理由で師姉まで叩かれるような事態になったら目も当てられない。
本当はお祝いに来るはずだった1年ぶりの再会が、こんなことになるとは…。

詭道は精神で支えておりますので。
SAN値削られすぎてグラグラになってる状態では陰気に呑まれますよという。
陰虎符が、羨が弱るの虎視眈々と狙ってたんだなと思ったら。忘機があれだけ警告してた理由が分かる。危険。

不夜天の入り口。
温寧は金鱗台に出頭したときも暴走して暴れておりました。
原作から補足すると、このとき殺された30人ほどの門弟のほとんどが、金氏ではなく藍氏の者たちでした。原作でも詳細はないですが、温寧たちの処刑を言い渡す光善に、忘機が何か言ってくれたんだな。自分を擁護してくれた藍氏の人たちを暴走して殺してしまうという、最悪の状況だった様子。ドラマの流れだと、この暴走も誰かさんの差金としか思えないし、たぶん外れてない。
門から吊るされてる温氏の人たち。
本来なら乱葬崗に残ってる人たちがこんなところに…平気で約束を反故にされた上に、明らかに非戦闘員の温ばあさんまで晒し者にされて。これは羨怒るわ。

金氏主催の決起大会。
戦の前に盃を割る、みたいな文化が中国にもあるんだね。杯の酒を撒いてるシーン、紫電着けてる江澄の手だけ存在感がすごくて目が行く。
温情の骨灰を撒かれて消沈する様子の江澄、ですが。お前はそれで済むけどな!と思ってしまって。恋心があったくらいでそこまで関わってないから、ていうかむしろ、恋心があったからさすがに悲しい気持ちはあるけど、これで羨を蓮花塢に戻せる、て安堵のため息も混ざってない?
澄の心境も分からなくはない。けど、羨は体張ってんだよ、ため息ひとつで済まないんだよ!って、胸ぐら掴んで揺さぶりたくなった。すまん、お前が苦労してるのはよく分かってるつもりなんだ澄。

遅れて来た忘機。
もしかして温寧たちが処刑された後、乱葬崗に行って、羨と入れ違いになった?
それとも金鱗台で師姉か誰かに話し聞いて追って来た?

演説する光善。
んー、いや待って、残りの残党なんていないからドラマ。それ原作だから。
残党の全数把握してるわけじゃないから、残ってるかもしれんという前提で動いてるということかな。江澄も忘機も乱葬崗に行ってて十数人程度の非戦闘員しかいないの分かってるはずなのに、これだけ大規模な決起大会するって、情報共有してないのか、それとも金氏の力を誇示したいだけなのか。羨ひとりと対峙するにしてもこの規模の軍が必要と見たのか。
どうにも原作と違うシナリオにしてるが故の歪みが…。

羨登場。
なんなんだろうな、この会話。人間同士で同じ言葉を話してるはずなのに、全く通じない。
人間的に当たり前で真っ当なことを言ってるのは羨の方なのに、討伐軍たちのどこまでも自分勝手でトンチンカンな言い分が、正道側にいるというだけで正論としてまかり通ってしまう理不尽さよ。羨の嘲笑が泣き声に聞こえる。
集団リンチしてた奴がやり返されたら「残酷だ」とか、羨じゃなくても、は?と思うわ。あんた何しにここに来たの。人を殺そうとするなら自分が殺される覚悟もしろし。

開戦の号令。
目を閉じてる㬢臣兄様、人となりが見える。本意じゃないんですよね。止められなかったけど出来れば穏便に済ませたかったすよね。でもそんな兄上でさえ、羨が大人しく投降してくれたら、という立場なんだ。それが悲しい。
陳情始動。
メインで撮影されてるキャスト以外の後ろの人たちがわりと適当に動いてるのが、川中島(上杉祭り)に於ける高校生足軽くんたちのようだと思った。とりあえず剣振り回しとけばいいかーみたいな。大人数な総力戦あるある。
江氏だけ襲われません。
羨…!!
いや、ね、当たり前なのよ。誰を守るためにここにいるの、って突き詰めたら温氏よりも奥の一番大事な根っこにいるの江澄だから。誰に反撃しても江氏にだけは手を出さない。
ここで門弟が羨を大師兄呼びしてるのが嬉しかったんだ。縁を切ってても心が繋がってる感じがして。門弟たちもまだ羨を他人と思ってないのが伝わって来る。

忘機到着。
忘機が正道という大枠に囚われている限り避けられない対立、なんだけど。
「私を信じろ。何か裏がある」
あれ、忘機なんか気づいた?
原作にはなかった台詞です。原作では自然発生な事態を、ドラマは人為的に起こしてること多いから。

師姉来ました。
忘機、やめろって言ったり吹けって言ったり。羨とは主語がなくても伝わる間柄なのです、でいいですかそうですか。後者は怨念が師姉に攻撃しないように制御しろ、という意図で合ってる、と思う、たぶん。

「裏」と思われる人影。
え、待って、横顔のシルエットが懐桑に見えるんだが。いやいや、え、おかしい、そんなはず(混乱)
彼が黒幕なのは現在編になってからで、明玦がまだ生きてる過去編中は害のない普通の子なんだ。今このタイミングで彼が羨を陥れる動機はない。
あの人影は光瑶(もしくは蘇渉)でなければならないんだが…光瑶、か?あれ?
ドラマ、キャスト間違ってない?

人影の笛の音で事態が急変。
怨念が江氏を攻撃し始めただけでなく、死人が出るわ傀儡も出るわで、明らかに血生臭くなって初めて気づいた。羨は怨念に攻撃はさせてたけど、やってもケガ程度の威嚇で留めてたのね。
…って、だから、笛の音で死霊を操れるの本来は羨の専売特許なんだってば。誰でも出来たら羨の希少価値下がっちゃうじゃんドラマー(しょぼ)
でも仙士の連中は、明らかにさっきと違うとは思っても、それが羨の仕業じゃないとまでは思わないんだよね。違和感があっても、羨=邪道(悪)から動こうとしない。江澄でさえこの事態が羨の仕業と思ってるのが悔しい。誰が気づかなくてもお前は気づけよ!と思う。

師姉ー!!(叫)
ドラマは人影の介入による惨事ですが、原作は羨の制御を離れてしまった術の暴走でした。自責の感情で言えば、ドラマより原作の方が遥かに強かったはず。
師姉の言葉を最後まで聞けなかったことが、この先真相が分かったとしても、ずっと羨の心に残ってしまうんだろうなぁと思う。原作でも師姉が何を伝えようとしたかは分からないままです。でも「私の羨羨」て言ってくれてるから。続く言葉が羨を否定するものなわけがないと信じてる。師姉だもの。


羨の怒り、で、次回持ち越し。
こんな矮小なものが正義(正道)か。

ようやく次回でしんどい過去編終了、多少なりとも気が楽な現在編に突入です。長かった…!!(よよよ)